251cc以上のバイクは、2年に一度車検に合格しなければいけないのが常識。無車検で運行すると免停などのきつ〜い罰が待っているのです。これは陸運局に車両を持って行って安全性の検査をするものだが、手続きとか何やらが色々と難しそうなので、お金を払ってショップに丸ごと頼むのが一般的となっている。でもその費用がハンパじゃないんだよね。10万円なんてのはザラで、その費用がかかるか否かというのが400ccと250ccの大きな違いだというのもこれまた常識だな。
しかし、規制緩和のこの時代、これまでは一般人には無理と思われていたお役所関係の手続きがだいぶ簡単になって、バイクや自動車の車検もユーザーが直接車検場に持って行って検査を通すいわゆるユーザー車検がやりやすくなったという。いい時代だねえ。業者に頼まず自分でやるので、この方法なら手数料のようなものが一切いらずとても安上がりになる。
おおっとそれならDIYでやるしかないでしょう。私のバイクは750ccで、余裕で車検の対象。ちょうどこの3月末に期限を迎えるので、2年間の期間延長を獲得すべく継続検査に臨んだという訳です。
自賠責や重量税のために銀行に寄ってお金をおろし、11時20分に野田陸運局に到着してユーザー車検受付の窓口で初めてであることを告げると、係のおじさんが申請の手順をていねいに教えてくれたので、それに従い書類を作成する。印紙を買うついでに自賠責保険も更新。
これでOK、いざ申請!とばかりに窓口に書類を提出するが、ここで重大なトラブルが発生。納税証明書が以前の持ち主のものではダメということなのだ。軽自動車税は地方税なので、私の住む松戸市に所有者が移転したら、松戸市の証明書が必要らしい。でも軽自動車税の請求は4月1日なので、私のところには納付請求はまだ来ておらず、当然納税証明書も持っていない。なんてこった、全然納得がいかんぞ。
でも係のおじさんはとにかく「松戸市役所に行ってください」と言うので、一旦車検場を後にし、12時20分ごろ松戸市役所に到着。収納課というところで事情を説明すると「松戸市で軽自動車税を滞納していません」という趣旨の証明書を3分ほどで発行してくれた。ありがとう!喜び勇んでまた野田へ。
車検場に戻ったのは13時10分、午後の受付が始まったばかりのちょうどいいタイミングだ。先ほどのおじさんに再度書類を提出する。「定期点検整備簿は?」と聞かれるが「まだ整備中なので書いてません」と答えてOK。整備簿に載っている程度の項目はだいたいチェックしてあるが、書き方がわからなかったので何も記入していなかったのだ。書き方は近いうちに調べておこう。
受付の印を押された書類をクリップボードにはさんで検査ラインへむかう。年度末ということもあって四輪のラインは猛烈に混雑して列を作っていたが、二輪はガラガラ。渋滞を横目に見ながら検査棟の前にVFRを移動させると、ハーレーショップのツナギを着た兄ちゃんが4台のハーレーを一人で通そうとしているところだった。すごい迫力。ウィンカーやブレーキランプの検査を手際良く進めている。ここでは検査棟に入る前に係官が外観検査をするらしい。
2台のハーレーがテスターの方に進んだところで検査官がこちらに来たので、「初めてなのでよろしくお願いします」と言うと、はい左ウィンカー出してー、って感じで一つ一つ指示しながら検査をしてくれる。あとは80センチくらいの長い柄のついたハンマーでブレーキキャリパーとホイールの付け根を叩いていたくらいで、心配していたカウル割れやクラッチレバーについては一言も触れずに外観と灯火類の検査は合格となった。あらら。
次は前に進んでテスター検査。「やり方がわからなかったら前の人を見学してください」と検査官が言ってくれたので、ハーレーさんにも挨拶をして検査の手順を見せてもらう。ふむふむ、ホームページで見たのと大体同じだな。当たり前だけど。ハーレーさんはさすがにつつがなく各項目に合格して、あっという間に2台の検査を終えた。
そしていよいよ自分の番。まずはテスターに前輪をのせて速度計の検査である。40キロでフットスイッチを離すというもので、さすがにこれは合格。続く前輪と後輪のブレーキもサクッと合格して、最後は難関と言われるヘッドライトの光軸検査。テレビみたいな機械が横からウィーンと出てきて、ハイビームの光軸と光量をはかる。表示はペケ。ああ〜やっぱり難関なのかな。「軸が右に向き過ぎだから直してきて」と言われ、車検場の目の前にあるテスター屋にかけこむ。
「バイクのヘッドライト調整してほしいんですけど、いくらかかりますか?」「3150円です」暴利!!そりゃあ高すぎるでしょう、東京湾アクアラインでさえバイク3200円でっせ、まだ行ったことないけど。しかも今手元には2000円くらいしかないし。諦めて車検場に戻り、ハンドル下のカバーを開けて、ライトの光を壁にあてながら光軸調整ノブをグルグル回す。まあこんなもんかな?というところでまた検査ラインへ。他の項目は合格なのでライト検査だけ行えばよく、再検査ボタンを押して前に進む。またテレビみたいな機械がウィーンと横から出てきたが、それに映っているライトの光がまだ右過ぎるような気がしたので、調整ノブをさらに回しながら検査を受けるという荒技を披露、そして見事にマルの表示を獲得!まさに機械が相手だからできるワザだな。カバーを開けたまま検査に行ってよかった。
とにかくこれで検査はすべて終了。ライトの調整をしていた時間も含めて、検査にかかった時間は合計で20分ほどだろうか。合格の記録をしてハンコをもらい、窓口に行って書類を提出すると、1分もたたずに新しい車検証とシールをくれた。めちゃ早いぞ。そのシールが四輪用の大きいやつだったので交換してもらうというちょっとしたハプニングも最後にあったが、以上で愛車VFRの車検期間は2年延長となった。おおっしゃ。
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今回の車検にかかった費用は以下の通り。
自賠責保険料 22900円
重量税 5000円
検査手数料 1400円
申請用紙代 26円
合計 29326円
これらは車検の際に絶対必要な項目ばかりなので、おそらくこの金額より安く済ませることはできないのではないだろうか。詳しくは知らんけど。ショップに頼むと代行手数料だけでも15000円くらい取られるそうだが、あんな簡単な作業で15000円ってのはいい商売ですなあ。しかもハーレーさんみたいに一度に何台も持っていけば、人件費も安く済むしね。そこらじゅうのショップやガソリンスタンドで盛んに車検代行の宣伝をしているのもうなづける。
「ユーザー車検は思ったより全然簡単だった」という感想をたくさんのホームページで見たけど、私も全く同感。そもそも検査自体が非常にお粗末なもので、そこそこ普通に街を走れているバイクならそのままで簡単に合格すると思う。「車検は車両の安全性を保証するものではない」という定説を強く実感した。だから今回のユーザー車検では、自分で自分のバイクをしっかり管理しなきゃいけないな〜という責任感のようなものが芽生えたね。安くあげることで浮いたお金で新しいパーツやいい工具を買って、車両を良好な状態に保つと共に整備の勉強ももっとしよう。バイクに対する愛着もより湧いてくるし、それこそが有効なお金の使い方ってものだ。これぞDIYバイクライフの醍醐味ですな。いや〜めでたしめでたし。
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